フリースは暑い、Tシャツでは寒い。その間を埋める「薄ミドル」
ltm×[sn] Merino Relaxed Action long Tは、年間85日を山で過ごす映像作家こうたろが手がけるltmと[sn]によるロングスリーブです。出発点にあるのは、登山のレイヤリングで感じていた「中厚手のフリースでは少し暑く、Tシャツだけでは寒い」という感覚でした。
行動中にフリースを着ると暑くなりやすく、脱げばザックの中でかさばる。一方で、行動着として機能的な素材でも、スポーティーな質感が普段の服装には合わせにくいことがある。そこで作られたのが、フリースほど厚くなく、Tシャツより一枚ぶん暖かい長袖です。こうたろ自身は、この立ち位置を「薄ミドル」と呼んでいます。
半袖のltm×[sn] Merino Relaxed Action Tと同じ、メリノウール50%・ポリエステル50%の生地を使用。ベースレイヤーの上に足す薄い一層としても、一枚で着るロングスリーブとしても使えるよう、素材だけでなく首元、袖付け、着丈、縫製まで、それぞれに理由があります。

空木岳での経験から、メリノ50%・ポリエステル50%へ
メリノウール100%は調温・調湿に優れ、春や秋、冬の日帰り登山では使いやすい素材です。ただ、こうたろが実際に山で使い続ける中で気になったのが、濡れたあとの乾きでした。
空木岳でウール100%のウェアを行動着にしていたとき、翌朝、寝巻きのベースレイヤーから着替えようとすると、前日にかいた汗がまだ抜けきっておらず、冷たいウェアへ袖を通すことになりました。日帰りでは大きな問題にならなかったことが、泊まりの登山になると無視しにくくなる。雨に濡れたり、レインウェアの内側で大量に汗をかいたりする状況では、濡れたウェアが乾かないことは身体の冷えにもつながります。
そこでポリエステルを50%加え、濡れたあとの乾きやすさを補っています。そこにメリノウールの調温・調湿性を残すことで、ウール100%で感じていた弱点に向き合った配合です。単に素材を半分ずつ混ぜたのではなく、山で泊まった経験から必要性を感じて辿り着いた50:50になっています。
143g/m²。薄ミドルとして選んだ生地の厚み
生地目付は143g/m²。ウールのベースレイヤーで見られる150g/m²前後よりもやや薄く、透け感が出にくい厚みを確保しながら、薄い一層として重ねやすくしています。ポリエステルを混紡することで速乾性と耐久性も補い、季節によって役割を変えながら使える生地です。

毛羽を抑えるコンパクトスピニング
糸にはコンパクトスピニングを採用しています。空気の力で繊維を束ね、外へ出ようとする毛羽を包み込むように撚りをかける紡績方法です。
ウールとポリエステルの混紡では毛玉が生じやすいことがありますが、毛羽立ちを糸の段階から抑えることでピリングを抑えています。表面の毛羽が少ないことは染色にもつながり、染料が均一に乗りやすく、色の発色にも生かされています。
使用しているメリノウールは18.5マイクロン。細い繊維を使うことで、ウール特有のチクチク感を抑えたなめらかな肌当たりになっています。

首元を広げたのは、最初に熱を感じやすい場所だから
首元は前回モデルより横方向へ広げています。理由は、行動中に身体が温まったとき、首まわりが熱を感じやすい場所だからです。開口部に余裕を持たせることで、胸元から熱を逃がしやすくしています。
汗で生地が身体に張り付いた状態でも頭を通しやすく、テントや山小屋で着替えるときにも脱ぎ着しやすい形です。上からフリースやシェルを重ねたときも、首まわりが詰まりすぎないようにしています。開きは鎖骨が少し見える程度で、ゆったりしたシルエットとのバランスも考えられています。


腕を上げても裾がつられにくいYジョイントスリーブ
袖付けには、腕をY字状に縫い付けるYジョイントスリーブを採用しています。肩まわりを動かしやすく、腕を大きく上げたときにも身頃が引っ張られにくいため、裾のめくれ上がりを抑えます。
岩場で上へ手を伸ばすとき、ザックのショルダーを調整するとき、テントの中で寝返りを打つとき。腕を上げるたびに裾まで持ち上がると、腰や背中が出てしまいます。Yジョイントは、そうした細かなストレスを減らすための袖付けです。

ザックと重なる肩の縫い目を背中側へ
一般的なTシャツでは肩の上に来る縫い目を、背中側へずらしています。ザックを背負ったとき、ショルダーハーネスの下に縫い目が入り続けることを避けるためです。
数分では気にならなくても、何時間もザックを背負って歩けば、小さな凹凸や擦れがストレスになることがあります。肩のラインそのものを変え、ハーネスが当たる場所から縫い目を外しています。

素肌に触れる縫い目はフラットシーマーで
縫製にはフラットシーマーを採用しています。縫い代が大きく盛り上がりにくく、肌へ触れたときの凹凸を抑えられる縫い方です。競泳水着や競技用ウェアでも使われる技術で、長時間着続けるウェアだからこそ、縫い目そのものの当たりを減らしています。
腰を覆う長めの着丈と、長く取った裾リブ
着丈のモチーフになったのは、1950年代のビンテージスウェット。腰までしっかり覆える長さを取り、かがんだときにも腰やお腹が出にくくしています。
裾のリブも長めです。ゆったりした身頃を裾で締めることで、全体がだらしなく見えすぎないバランスにしています。


袖は少し余るくらい。動きやすさと見た目の両方から
袖まわりにはゆとりを持たせ、腕を下ろすと手首に生地がたまる長さにしています。ぴったり身体へ沿わせるのではなく、少し持て余すくらいのボリュームを残したシルエットです。
このゆとりは、動きにも効きます。腕を上げる、岩に手をつく、ザックを背負うといった動作でも袖が突っ張りにくく、汗ばんだときにも生地が腕へまとわりつきにくくなります。
サムホールを付けず、袖の長さで手の甲まで覆う
袖口には、あえてサムホールを付けていません。理由は、街で着たときにも山道具らしさが強く出すぎない、カジュアルな見た目を残したかったからです。
その代わりに袖自体を長めに取り、寒いときには手を袖の中へ引けば甲まで覆えるようにしています。サムホールという機能を足すのではなく、袖丈そのもので手元までカバーする考え方です。
左下に小さく入るltm × [sn]のロゴ
ロゴは左下に小さく配置。大きなグラフィックで主張するのではなく、ゆったりしたシルエットや生地の色を邪魔しない大きさです。

着ることで少しずつ落ち着いていく色
大人の山吹と淡紫は、新品時にはしっかりとした発色がありますが、着用と洗濯を重ねることで少しずつ色が落ち着いていきます。
大人の山吹は、鮮やかな色から黄色みを含んだ落ち着いた表情へ。古着のTシャツに見られるような、使い込んだ色合いに近づいていきます。淡紫も、はっきりした紫から少しずつ深く穏やかな色へ変化します。新品時の発色だけでなく、着続けたあとの色も楽しめる生地です。



やわら生成は、透けやすさまで含めて選ばれた色
やわら生成は、ほかのカラーに比べて透けやすさがあります。それはサンプル段階から分かったうえで採用された色です。漂白していない自然な生成りの色合いで、真っ白ほど強くなく、ベージュよりも明るい印象を持っています。
一枚で着る場合は、下にクルーネックタイプのドライレイヤーを重ねることで透けを抑えやすくなります。Tシャツやスリーブレスの上から薄ミドルとして着る場合は、下の一枚がそのまま透け対策になり、襟元から見えるインナーの色もレイヤリングの一部になります。
季節によって「一枚」にも「もう一枚」にもなる
暑がりなら行動中に一枚で着る。少し肌寒ければTシャツやスリーブレスの上から重ねる。休憩中に冷えを感じたら、ザックから出して一枚足す。真冬には長袖のベースレイヤーの上へ重ね、その上にフリースなどを着ることもできます。
厚手の保温着を一枚増やすのではなく、薄い層を一枚加えることで体感に合わせて調整する。そのための「薄ミドル」です。山でも街でも着られる見た目を残しながら、泊まりの登山で感じた乾きの問題や、ザックとの擦れ、腕を上げたときの裾のずり上がりまで、こうたろ自身が気になっていたことを一つずつ形にしています。
サイズチャート
| サイズ | 身丈 | 身幅 | 肩幅 | 袖口幅 | 袖丈 | 裾幅 | 裾口幅 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| XS | 62.5cm | 55cm | 42cm | 51cm | 57cm | 21cm | 7cm |
| S | 64.5cm | 57cm | 44cm | 53cm | 59cm | 22cm | 7.5cm |
| M | 67.5cm | 60cm | 47cm | 56cm | 62cm | 24cm | 8.5cm |
| L | 69.5cm | 62cm | 49cm | 58cm | 64cm | 25cm | 9cm |
| XL | 71.5cm | 64cm | 51cm | 60cm | 65cm | 26cm | 9.5cm |
表記サイズと実際の商品には多少の誤差が生じる場合があります。
スペック
| 素材 | メリノウール50%、ポリエステル50% |
|---|---|
| 生地目付 | 143g/m² |
| メリノ繊度 | 18.5マイクロン |
【在庫について】
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