1. はじめに|快適で本当に使えるウェアとは

— デザインだけではない、“実際に使える” 進化が詰まったTeton Bros.の2025春夏

2025年春夏シーズンのTeton Bros.は、一見すると大きな変化が内容に見えますが細部にわたる進化が詰まっています。
ベースレイヤーからアクティブインサレーション、ウィンドシェルまで、ブランドを象徴する定番アイテムたちに加えられた「生地の刷新」「パターンの調整」「縫製の見直し」などは、確かな機能性の向上を実現しています。

長く使い続けられる道具として、より「リアルな活動」に寄り添うかたちへとアップデートされたような気がします。着用することで、体の動きを妨げず、気象の変化にもスムーズに対応できる。そんな“本当に使える”ウェアたちが揃いました。

本格的な春夏シーズンを目前に、このウェアたちとともにどこへ行こうか。そんな想像を自然と掻き立てられる、信頼のラインナップです。

2. 暑い季節でも快適に──VAPORシリーズの機能性と展開

Teton Bros.の「VAPOR」シリーズは定番の化繊ベースレイヤーです。一枚で着用できる利便性と、行動中の快適性を両立したシリーズで、2025年シーズンでは生地を全面的にアップデート。吸水拡散性・速乾性に優れ、防臭加工も施されることで、これまで以上に多様なアクティビティに対応する仕様になりました。

生地には、異なる機能を持つ2種類のポリエステルが用いられています。肌面は疎水性の糸で構成され、汗をかいた直後でもべたつきにくく、ドライな感触をキープ。表面には吸水性のある糸を使用することで、吸い上げた汗をすばやく拡散・蒸発させます。また、UPF+30の紫外線カット性能に加え、環境配慮型の防臭加工も加わり、縦走登山のような連日使用にも対応します。

実際の使用シーン

私自身、このVAPORシリーズを日々のランニング練習や、トレイルランニング、そして登山まで幅広く使用しています。特に発汗量が多い場面でも快適性が持続するため、日帰り登山でしようしてきましたが、高い防臭加工が施され数日の山行まで安心して着用できるウェアになりました。また、暑い時期の街中でも気軽に着用でき、シャツ一枚でそのまま外に出られる利便性の高さも気に入っています。

昨年までのモデルも非常に重宝していましたが、今季アップデートされた生地はCARATという、非常に信頼性の高い生地。汗をかいても、一枚でサラッとした着心地です。


VAPORシリーズのラインナップ(2025年)

3. ベースレイヤーにさらなる快適さを──Axioシリーズの進化

Teton Bros.の「Axio」シリーズは、ウールとポリエステルをハイブリッドで編み上げた独自のファブリックにより、天然繊維と化繊の利点を掛け合わせたベースレイヤーです。吸湿性や防臭性に優れるウールの快適さと、速乾性・耐久性を持つポリエステルの特性が、絶妙なバランスで共存しています。

今季は、「Axio Lite」の生地構成にアップデートが加えられ、さらに吸汗速乾性が向上。縫製は従来のフラットシームから、肌への当たりがより優しい「M縫い」へと変更され、着心地の滑らかさが一段と増しました。汗をかいても蒸れにくく、なおかつ体を冷やさない。その実用性の高さは、山での使用にとどまらず、街でのデイリーウェアとしても違和感なく機能します。

実際の使用シーン

昨年までのAxioから生地がアップデートされ、より肌あたりがソフトになりました。ウール100%ではなしえない、速乾性は大きな魅力です。1年中、着続けられる厚みとシルエットで、山だけでなく、日常にもつかいますが、やはり長い距離の活動で使いたいですね。


Axioシリーズのラインナップ(2025年)

4. 軽さと安心感を両立──信頼の WIND RIVER HOODY が進化

Teton Bros.を語るうえで外せないのが、長年にわたってベストセラーとして支持され続けてきた軽量ウィンドシェル「WIND RIVER HOODY」。通年で活躍する定番モデルが、2025年春夏にさらなるアップデートを遂げました。

今季の進化のポイントは、なんといっても新しい生地の採用です。従来の防風性・通気性・ストレッチ性のバランスはそのままに、裏面の凹凸をよりくっきりさせることで、発汗時の肌離れを改善。濡れてもベタつかず、動き続けるアクティビティにおいて快適さをキープしてくれます。また、軽量性と耐久性のバランスにも優れ、日々の使用にも安心して耐えられるタフな一枚へと進化しています。

重ね着のしやすさや携行性といった使い勝手はこれまで通りで、ダブルジッパーによるベンチレーション、パッカブル仕様などの細かな仕様は健在。さらに今季はウィメンズモデルも女性の体型に合わせたパターンへと最適化され、より自然なフィット感を実現しています。

実際の使用シーン

ウィンドシェルは各社発売しているが、WIND RIVER HOODYがベストな選択と言っても過言ではない。機能性、素材、デザイン、プライス、全てのバランスでトップではないだろうか。その証拠にトゥーメニーカラーな展開だ。レインウェアとウィンドシェルを両立できないかと模索している方も多いかもしれないが、ウィンドシェルの快適性はどんなレインウェアも勝つことはできない。特に活動量が増えればその傾向は顕著だ。たった100gに、それ以上の快適性が間違いなくある。


WIND RIVER HOODY ラインナップ(2025年)

5. 通年で使える“動的保温”──アクティブインサレーション

Teton Bros.のアクティブインサレーションは、止まらず動き続けるアクティビティのために設計された“動的保温”ウェア。寒さを防ぐだけでなく、汗をかいても蒸れにくく、ウェア内を快適な温度に保つことを目指したラインナップです。

今季は、定番である「SLICK HOODY」や「RUN WITH OCTA」、そして女性向けの「WS BREATH RUNNER」などがアップデートされ、それぞれにおいて通気性・保温性・フィット感のバランスがさらに最適化されました。特にSLICKシリーズは、前面と腕まわりに「Stretch Octa」をマッピングすることで、冷えやすい部位を適度に保温しながら、背面は通気重視の設計にするなど、エリアごとの温度管理がなされています。

RUN WITH OCTAは、TSURUGI JACKETと同じアングルジッパーを採用し、ベンチレーションの連動性を確保。活動量が高くなる場面でも熱を一気に逃がすことができ、過度な保温を避けられます。プルオーバー型で腹部のジッパーがないぶん、着心地も軽やかです。

BREATH RUNNERは、そのRUN WITH OCTAの女性モデルとして、機能はそのままにパターンをウィメンズ専用に。体のラインに自然にフィットしつつも、動きを妨げない設計が施されています。

実際の使用シーン

背中にはOCTAが貼られていないので、ザックを背負ってもオーバーヒートしないという、本当に行動できるアクティブインサレーションです。寒い時期の登山、ランニングのリアルな行動着としておすすめです。使ってみると使い所が本当に多いことに気づくと思います。


OCTA ラインナップ

おわりに|アップデートは“見た目”より“中身”に宿る

“定番”と呼ばれるモデルたちがさらに実用性を増していたこと。派手なデザイン変更ではなく、素材や縫製、パターンに至るまでを見直し、着る人のリアルな活動によりフィットするよう進化を重ねている。その姿勢が、長く愛される理由だとあらためて感じさせられました。

そして、実際にフィールドで使うなかで気づくのは、小さな改良が積み重なって「使いやすさ」の本質に直結しているということ。行動中の汗処理、携行性、フィット感。どれもが“自然に使える”ことに繋がり、結局のところ最も信頼できるウェアになるのではないでしょうか。

Teton Bros.のウェアを選ぶ理由は、スペックだけでは語れません。アップデートの裏にある経験と検証の積み重ね、それが一枚一枚のウェアに宿っているからこそ、私たちはまた今年も、このブランドを着て山へ向かいたくなります。

2025/04/15