■ ベースレイヤーにフーディは正直不要だと思っていた

実はベースレイヤーにフーディというのは懐疑的というか、不用だと思っていた。だってウィンドシェルやレインウェアにフードがあるんだから、それで十分でしょ?と。むしろ、ベースレイヤーにまでフードがあるとごちゃつくし、レイヤリングの邪魔になるんじゃないか、そんな気持ちだった。

でも、milestoneの二人が熱心に「これはマジでいい」とプッシュしてきた。そこまで言うならと、Doo-Bop Hoodyのサンプルを借りて、山に入った。

この一枚が、僕の人生最大の挑戦「大シガイチ」のベースレイヤーとして採用するとは思っていなかった。


■ 5月の滋賀、暑さと寒さがせめぎ合う

滋賀県をぐるりと廻る「大シガイチ」をに挑んだ際にDoo-Bop Hoodyを少し寒い時間帯のベースレイヤーとして着用した。この時期の山は、昼間は夏のような暑さ、朝晩は肌寒く、時に雨も風も容赦ない。一日の中で環境が何度も変化するような過酷な条件での使用だった。


■ 通気するのに、守ってくれる

着ていてまず感じるのは、通気性の高さ。
走っていると、肌の上に風が通る感覚がしっかりある。
普通のTシャツよりも風を感じやすいのに、長袖。しかも軽い。

日差しを遮りながらも、ヒートアップしすぎない。
長袖でありながら「暑くない」、そんな矛盾を実現している。
そして、フード。正直、これがこんなに使えるとは思っていなかった。


■ レイヤリングの中心として機能する

Doo-Bop Hoodyは、単体での性能はもちろん、レイヤリングの中核としても優秀だった。
暑いときは腕まくりをすればTシャツのような着心地になり、涼しい風が抜ける。
寒いときには上にAlpha Directのフーディを重ねることで保温性を確保できるし、
さらに冷えるようなら、そのAlphaをDoo-Bopの下に着込むことで、よりしっかりと暖かさを感じられた。

いずれも薄く軽い素材同士だからこそ、行動中の着脱もストレスがない。
加えて、行動中に汗で濡れても他のポリエステル素材よりも乾きが早く、汗冷えを感じにくかった。
こうした柔軟なレイヤリングのしやすさが、長時間の行動において非常に大きな強みになると実感した。

※大シガイチではないが別の山行でもこのレイヤリングは活躍した

Doo-Bopのフード、Alphaのフード、そしてレインのフード。
3枚を重ねて、その場その場でかぶる・脱ぐを調整するだけで、かなり広い気温帯に対応できた。


■ 「脱がなくていい」という快適さ

着続けられるという点も重要なポイント天気がコロコロ変わっても、いちいちザックを下ろさず、立ち止まらず、ひとつのウェアで対応できる。

これは体力の温存だけでなく、精神的にも楽だ。立ち止まるとリズムが乱れる。ペースも崩れやすくなる。着続けられるというのは、単なる快適さ以上のものを感じた。


■ 藪漕ぎで大活躍

特に印象に残っているのは、藪漕ぎが避けられないような区間。陽射しが強く、ウィンドシェルを着るには暑すぎる。かといって半袖では肌を傷つける。そんな場面で、この通気性の高い長袖のDoo-Bop Hoodyが正解の選択肢だった。

藪の中にそのまま突っ込み、稜線へ出て風を受け、また下り、登っていく。この一枚だけで登りも下りもこなすことができた。


■ デザインと細部の話

生地が薄く軽いため、重ね着したときにもゴワつかない。
サムホールもあるので、手の甲まで守ることができるのもポイントが高い。
ただし一点だけ、腕まわりは少しタイトめ。腕まくりしにくさを感じる場面もあったので、そこは今後の改良に期待したい。


■ どんな状況におすすめか?

特に、夏のアルプスなど日差しが強く標高が高い環境では、このフーディの性能が活きてくるはず。
3シーズンのハイキングのベースレイヤー、渓流釣りのウェアとして。
そして、トレランとハイキングを両方楽しむ人には、間違いなく1年中着れる1枚になる。


■ まとめ

時間をかけて一人で自撮りした写真

ベースレイヤーにフードなんて、最初は「なくていい」と思っていたが、今では、状況によっては「なかったら困る」とすら思っている。Doo-Bop Hoodyは、僕にとってレイヤリングの概念を変えてくれた一着だ。

ただのベースじゃない。風を感じ、汗を逃がし、守ってもくれる。気続けられることで、挑戦を止めずに前へ進める。これからも着用し続けていきたい。

2025/06/07

PROFILE

山根

ROCK STEPPERS店主。ビールが好き。トレイルランをメインに活動しているが、山遊びはなんでもやりたい。Youtuber活動してみたら意外と面白いのでなんとか続けていく。いつかはどんな形でも良いので超超長距離にトライしたい。